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My 趣味紹介
2013年5月11日(土)午後2時より

クラシックピアノコンサートに陶酔!
昭和51年卒 土方 千春さん



清水和音X宮谷理香―アコースティックとデジタルによるピアノ名曲選―島村楽器クラシック グランフロント大阪店 オープン記念コンサート
大阪サンケイホールブリーゼにて

先日来ここのページでご案内しておりましたが、東京錦陵会昭和51年卒大嶋桂一さんのご厚意で、特別無料招待券をいただき、オープン記念のピアノコンサートに行ってきました。この日は、別の場所にて「定期総会」案内および会報22号の発送作業が行われておりましたが、特別にお願いしてコンサートのほうに行かせていただきました。ご理解ならびにチケットのお声掛けをしてくださった皆さま、ありがとうございました。

さて、私にとってピアノは思い入れのある楽器です。というのも、子供の頃は近所にオルガンを習いに行ったり、ヤマハ音楽教室に通ったりしていたもので、キーボードにはちょっと馴染みがありました(今では別のキーボードをたたく毎日ですが)。中学生になってからは念願のピアノを買ってもらい、正式に習いに行くことはありませんでしたが、楽譜を見ながら我流のおぼつかない手つきで「エリーゼのために」や「乙女の祈り」などを弾いて遊んでいました。大学生になってからは関西に出てきたこともあり、音楽とは無縁になってしまいましたが、楽器店などでピアノを見ると、自分の選択しなかった「あこがれの道」に小さなトキメキを感じるものです。

そういうこともあり、今回お誘いをいただいたときには、「たまには、パソコンのキーボードをたたく日常から、メロディーを奏でるキーボードの世界へ」という気持ちになり、友人などにも声をかけて行ってみることにしたわけです。

コンサートは、国際的に活躍されている一流のピアニストによる二部構成で、第一部では宮谷理香さん、第二部では清水和音さんの演奏を聴かせていただきました。前述のように、音楽とは無縁の人生を歩むことになったため、出演されるピアニストについての知識もなければ、演奏されたピアノ曲も殆ど知りません。

しかし、実は、私には芸術に対してある「こだわり」があります。それは、「わからなくてもいい。芸術とは知識で鑑賞するものではない」ということ(無知さをカバーする良い言い訳?にもなりますが)。つまり、音楽は知識で聴くものではないと。世の中には、優れた感性や知識を持っている人もいれば、そうでない人もいる。しかし、その如何に関わらず、その人が楽しめればいい、その人にとって素晴らしければいい―それが芸術だと思っています。ですから、できるだけ有りのままを楽しみたいと考えています。たとえば、「このアーチストはこういう経歴で、こんな賞を獲得していて…」といった知識を先に詰め込んでしまうと、「優れた芸術家なんだから素晴らしいと思わなければならない」というフィルターがかかってしまいます。それが嫌なので、前もって手渡されたパンフレットの経歴などは鑑賞前には読まないことにしています(鑑賞後に読みます)。

前置きが長くなりましたが、本当に久しぶりの本格的なコンサート、好きなピアノとはいえ、気持ちよくなって眠ってしまわないかなと若干心配でしたが、眠るどころか、すっかりその世界に酔いしれてしまいました。

第一部と第二部で展開する異なる二つの世界。独断と勝手な思い込みで言語表現してみると、第一部では、若々しい躍動感と輝きに満ちた音の空間、若緑の葉が太陽の光を浴びて金色に輝いているような色彩感と言えるでしょう。まるで、ピアノの精が空中を舞い続けているような「心地よい緊張感」を感じました。ピアノの音色もより透明感が高くメタリックな響きでした。

第二部は打って変わって、地の底から響いてくるような重厚感と深淵さがあり、その音色にはピアノの神様が住んでいるのではないかと思わせるほど。ずっしりと、しかも軽やかに、流れるように、ピアノという楽器を使ってここまで魂を魅了するものなのか―と。ある時、「音が自分の中に入ってきた」と感じる瞬間があり、いつしかメロディーの波に身を任せ、いっしょに高く飛んだり、低く地面を這ったりする陶酔の世界に入っている自分。まさに、この音楽には魔法があると思いました。同時に、「自分自身を表現したい」という人間の欲求をここまで成就する術を持っているピアニスト個人に羨望の念すら覚えたものです。時には、一流の芸術に触れることがいかに自分にとって大事であるかを実感しました。

最後になりましたが、今回招待券を融通してくれた大嶋さんは幼馴染みで、保育園、小中学校、高校までの同級生でもあります。実家にある昔のアルバムを見ると、赤ちゃんの頃一緒に大宰府に行った時の写真や親同士が交換したのか彼が一歳くらいのときの写真もあります。小学校低学年くらいまでは一緒に遊ぶこともありましたが、思春期になると照れ臭くお互い話をすることもなくなり、今日に至っていました。昨年の夏になって、他の同級生と一緒に実家へお邪魔したのが再会のきっかけです。子供の頃はケンカも強く、どちらかと言うと「悪ガキ」のようなところもあったので、これも別の幼馴染みの同級生から「ある楽器の会社のおエライさんになっている」と聞いたときは、「へえー、ケイちゃんが音楽?」と思ったものですが、何十年ぶりかに再会して感じたのは、信念を持った思いやりのある立派な人格者に成長したなということ。「良い人生を歩んできたんだな」と感じさせるものがあり、幼馴染みだけに、こちらもとてもハッピーな気持ちになりました。

音楽と人生、そして再会。やっぱり同窓会って素晴らしいですね。



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